商社に出向になりました。

交通費の申請方法がわかりません。

商社の仕事とは

商社は、就活人気ランキング上位に何社もランクインするような業態です。でも、自分が学生の時は、商社に行きたいと思ってことはありませんでした。説明会にも行こうと思わなかったし、他の企業の説明会のついでに聞いた商社の説明では、いかにも頭の悪そうな40手前くらいのおっさんが「事務の女の子とか、マジ感謝してる」とか言った瞬間、「はよ帰れ」と思うくらいでした。

 

なぜ、商社を受けようと思わなかったかというと、恥ずかしながらなんの仕事をするのかわからなかったからです。「輸入?輸出?それなんか楽しいの?」と思っていました。自分の仕事が社会にどういった影響を与えるのか、それが当時の自分には想像がつかなかったのです。

 

生産者なら、自分の仕事で何かを生産する、生み出される実感がある。小売とか、お客さんを目の前にすれば、商品を実際に提供してその人の生活にほんの僅かな変化をもたらす実感がある。そこまでは想像ができました。でも、社会に出たことのない視野の狭い学生には、商社が何をやっているのか、はたして実体のある仕事をしているのか、それが微塵も想像できなかったのです。

 

実は、商社に出向する直前でも、あまりわかっていませんでした。今でもよくわかっていません。ただ、商社と自分の会社との関わりを見ていたので、自分がどういった役割の仕事をするのかという部分的なことはわかっていました。だから、これを機に商社がなにをしているのか見てこようという気持ちがあったことは否定できません。

 

ここ1週間海外出張に出ていて、今回は日本からは1人だけで行ったので、考える時間が結構あり商社の仕事について考えてみました。そうしたら結構単純な話で、「ある商品を、それが”まだない”場所に持って行って売る」ということになりました。すごく単純な話でしたが、規模が大きすぎて見えなくなっていただけだったのではないかと思います。

 

たとえば「りんご」。関西以西にはりんごの産地はあまりない。だから、東北からりんごを持ち込めば、売れる。はじめは「なんだこれ」と思われても、いわゆるアーリーアダプターが試しに買ってみて、それが美味しければ噂がひろまりどんどん売れる。ここで大事なのは、「それが美味しければ」ってところ。だから、商人は「美味しいもの」を見つけ出す能力が求められる。

 

どんなに規模が拡大しても、この構図は変わらないんだと思う。そして、商品がサービスになっても、それは変わらない。だから、今回の出張で思ったのは、いわゆる事業会社ってやつは生産者なんだということ。商社と組んで海外展開をしていくというのは、自分で生産した商品、サービスをそれが”まだない”場所に持って行ってもらい、売ってもらうということ。そして、それが「美味しい」ものでないと売れないということ。

 

だから事業会社は、商社と組んで仕事をするときは、商社に任せてればOKという姿勢ではいけない。なにもしなくても勝手に売れることはないし、商品を磨き続けなくてはいけない。うちの会社は製品ではなくサービスを提供している会社なので、現地駐在も商品に含まれると思う。つまり、現地の駐在も磨き続けないといけない。「美味しい」と思ってもらえるサービスと人材、それを用意しどんどん良くしていく姿勢が、日本の本社には求められるはず。

 

ということを、本社に伝えるのも、自分の仕事の1つなんだと思ってやっていこう。